夏休みが終わり、勤め人業務が再開した。その初日、見知らぬ番号(通称:知ら電)から着信があった。発信元は市役所の職員からだった。
普通ならば気にも留めないかもしれないが、今回は事情が違った。内容は「隣人からの悪臭に関する訴え」についてだ。正直、少し動揺した。前回のクレームから3ヶ月が経過し、隣人が我慢の限界を超え、ついに市役所に訴えを起こしたのだ。私が管理する物件の入居者が原因で、近隣の方々に迷惑をかけていることは、大家として非常に辛い。
市役所職員の話によると、どうやら保健所から指導を入れたいとのことだった。隣人の訴えを受け、保健所が問題の解決を求め、入居者に連絡を取ろうとしたが、これがなかなかうまくいかなかったらしい。
「何度も手紙を投函しましたが、全く反応がありません」と、市役所の担当者が説明してくれた。そうなると、次に頼りにされるのは、当然ながら大家である私だ。入居者に連絡を取るよう依頼され、私はすぐに行動を開始した。
実際、この入居者はこれまでもコミュニケーションが取りにくいという問題があった。書面での通知や、場合によっては玄関先に直接伺うなど、様々な手段を試してきたが、なかなか応答が得られないことが多かった。それが今回のように深刻な問題になると、大家としては一層の責任を感じざるを得ない。
結果的に、私からの電話に入居者が出てくれて、連絡を取ることに成功した。私の声を聞いた瞬間、相手は少し驚いたようだったが、事情を説明すると、問題を認識してくれたようだ。そして、保健所から連絡があるので、すぐに対応するようにと伝えた。入居者は、その後すぐに保健所へ連絡を取ることを約束してくれた。
この一連の出来事は、大家としての役割の難しさを改めて痛感させられるものだった。入居者や隣人とのコミュニケーションが円滑に進まないと、こうした問題が拡大する可能性がある。市役所や保健所からの指導も、決して軽視できるものではない。近隣住民との関係を良好に保つためにも、入居者との信頼関係を築くことがいかに重要であるかを、改めて実感した。
大家としての責任を果たし、すべての関係者が安心して暮らせる環境を提供していきたい。この経験を通じて、今後は入居者との連絡手段や対応策をさらに見直し、問題が発生した際には迅速に解決できるような体制を整えるために、引き続き努力していくつもりだ。
コメント