動かざること、亀のごとし(6号物件の自立)

6号物件

3連休。
──世の大家たちは現場へ行き、ペンキを塗り、CFを貼り、仲介店へ顔を出していたかもしれない。
だが私はというと、完全なるプライベートモード。DIYの「D」の字もない。

それでも罪悪感はない。
なぜなら、不動産は“勝手に働く仕組み”だからだ。

今回の3連休、私は家族行事で静岡県外に足止め状態だった。
「うわぁ~、この週末は現場に行けないな」と少しモヤモヤしていたそのとき──。
スマホの通知がピロン。
仲介さんから一言。

「6号物件、本日内見入りました!」

……え、動いてるやん。
俺がカツ丼食べてる間に、物件が営業してる。
すごいぞ6号。

そう、これこそが不動産賃貸業の醍醐味だ。
自分が現場にいなくても、鍵はキーボックスから出て、仲介さんが案内してくれて、勝手にお客さんが見てくれる。

しかもこの6号、リフォーム完了後の“お披露目シーズン”まっただ中。
水回りピカピカ、CFも貼りたて、エアコンも新品。
内見者さんが入れば、「あ、ここ、なんか清潔感あるな」と感じてくれるはず。
(たぶん私が3日かけて磨いたキッチン床の努力が報われる瞬間。)

3連休に動けなかったからこそ、実感する。
「自分が休んでても、物件は動いてくれる」──この安心感。

もちろん、すべてが順風満帆ではない。
内見が入っても、決まるとは限らない。
だけど、動きがあるというだけで全然違う。
“止まってない感”が心を救うのだ。

本業の勤め人は、休んだら仕事が止まる。
でも大家業は、休んでも家賃が発生し、休んでも入居希望が現れる。
これって、もはや自分の分身が働いているようなもの。
そう、私は動かざること──亀のごとし。

次の連休こそ現場で汗をかこうと思うが、もしまた予定が入っても焦らない。
私の代わりに、6号がちゃんと頑張ってくれるから。

さあ、次のスマホ通知は「申込入りました!」でありますように。
頼んだぞ、6号。

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