久しぶりに、家族全員がそろった。
息子たちが帰省し、家の中に人の気配が増えるだけで、「あぁ、年末だな」と感じる。
……とはいえ。
現実はこうだ。
子どもたちは朝起きるなり、
「ちょっと友だちと会ってくる」
と言い残し、外へ。
家にいるのは、ほぼ寝ている時間だけ。
まあ、そんなもんだろう。
自分だってその年頃は、家より外の方が楽しかった。
そんな中、今日はちょっとした家族イベント。
成人式を迎える次男を連れて、買い物に出かけることになった。
メンバーは4人。
私、妻、次男、そして三男。
こういう時だけ、なぜか都合よく揃う。
目的は、成人式で着るシャツとネクタイ。
スーツはすでに購入済み。
あとは首元とインナーを整えるだけだ。
朝イチでショッピングモールへ。
年末ではあるが、思ったほど混んではいない。
ほどよく人はいるが、歩きやすく、店内も落ち着いた雰囲気。
みんなそれぞれ、
「今年をどう締めくくるか」
そんなことを考えながら買い物をしている、ちょうどいい年末感だ。
試着をして、
似たシャツで色味を比べ、
ネクタイを首元に当てては全員で首をひねる。
「それはちょっと派手じゃない?」
「いや、成人式だし、これくらいがいい」
「写真写り考えると、こっちじゃない?」
4人寄れば意見も4つ。
ちょっとした会議の末、ようやく購入品が決定。
これで成人式の準備は、ひと安心だ。
ランチを食べて帰宅。
すると自然な流れで、
「じゃあ、洗車しよっか」
という話になる。
年末とは、こういう謎の展開が起きがちである。
洗うのは2台。
私の通勤用の車と、妻がメインで使うファミリーカー。
普段は洗車機一択。
でも今日は手洗い。
一年分の感謝を込めて、スポンジで汚れを落とす。
車も、物件も、手をかけた分だけ応えてくれる。
大家業をやっていると、この感覚は嫌でも身につく。
そんなこんなで、本日の不動産活動は現場作業なし。
……と思いきや。
明日の内見予約だけは、しっかり入れてある。
キーボックス対応で、
「いつ見に行っても大丈夫ですよ」と言われている物件だ。
家族の時間も大事。
でも、アンテナは下げない。

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