木材を運ぶ大家、未来を運ぶ朝

5号物件

朝の30分、今日の作業は「木材搬入とゴミ捨て」だ。

昨夜、軽トラに積んで運び込んだ木材。時間に追われていた私は玄関にドサッと置いただけで力尽き、まるで「入室を拒否する木材たち」のように放置してきた。そして翌朝、出社前の30分を使って現場に向かった私は、汗だくになりながら木材を室内へとえっちらおっちら。朝から肉体労働である。

暑い。まだ8時にもなっていないのに、背中をつたう汗。「俺、このあと会社でデスクワークするんだよな?」という冷静な自問自答も虚しく、木材は黙って部屋の片隅に積み上がっていった。

今日のミッションはもうひとつ。待ちに待った「不燃ゴミの日」だ。ずっと処理したかった発泡スチロールや梱包材を、45リットル袋2つにぎゅうぎゅう詰めて出陣。これが意外と快感。長らく物件の隅で存在感を放っていた“白い巨体”たちがついに旅立った。捨て終わった場所は、まるで一皮むけたようにスッキリ。ああ、これぞ大家の朝活ご褒美である。

結局、木材を室内に搬入し、ゴミをまとめて捨てる。これだけで十分に達成感があった。「出社前に一仕事終えた俺、今日ちょっとデキる人っぽくない?」という謎の満足感に包まれる。しかもまだ少し時間が余ったので、未来の段取りを妄想する。「週末はガレージの塗装メインかな。時間が余れば小屋根も塗っちゃう?」こんな予定を立ててニヤニヤするのもまた楽しいものだ。

朝活は人によってさまざまだが、大家的には「ゴミ捨てと資材整理」でも十分立派な成果。仕事用の服に着替えながら、汗だくのシャツをひっそりと脱ぐ。その姿を誰も知らないまま、私は今日も本業へ向かう。けれど心の中では「俺はもうすでに一日二役をこなした男だ」と密かに誇らしさを感じていた。大家の朝は濃い。

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