ついに……!
決済を終えた。
6号物件、ゲットォォォーー!
決済会場は、さながら小さなオーケストラ。
売主さん、司法書士さん、仲介担当さん2名、信金担当さん2名、そして私。合計7名が机をぐるりと囲み、それぞれ譜面(書類)を前に黙々と手を動かす。
私はといえば、振込依頼書にサインしてはハンコを押し、出金伝票を書いてはまたハンコ。気分は「印鑑押しロボット」である。
時計を見ると、わずか30分で作業完了。
「もう終わり?」と一瞬思ったが、よく考えたらこの30分のために1か月近く準備してきたのだ。
思い返せば、出会いは約1か月前。
この6号物件は、私にとって「初めて尽くし」のフルコースだった。
- 初めての満額買付(財布の口がパックリ開いた)
- 初めての融資特約なし(命綱なしバンジー状態)
- 初めての信金融資決済(担当さんの目力がやたら強い)
まさに怒涛の日々。
寝ても覚めても「この物件、ちゃんと決済までたどり着けるのか?」と胃をギュッと掴まれていた。
そして迎えたゴール。
司法書士さんから「はい、これで完了です」と告げられたとき、心の中でクラッカーを鳴らした。パーンッ!
無事に鍵を受け取り、いざ物件へ突入。
「やったー、マイ新物件!」と浮かれていたのも束の間……。
なぜだろう。内見のときよりも欠点が目立つ。
「あれ?ここ、壁にこんな傷あったっけ?」
「おや?床がちょっと沈む?」
「うーん、このドアノブ、回したら外れそう……」
次々に飛び込んでくる「要修繕ポイント」。
不思議なことに、物件は買った瞬間から“ボロさ増し増し”に見えるという都市伝説は本当だった。
とはいえ、これこそ大家の醍醐味。
「ここはDIYで直すぞ」「これはプロに頼もう」と、頭の中でリフォーム計画が自動再生。まるでゲームを始めた直後に「最初のダンジョン」を探索している気分だ。
6号物件、ようこそ私のフィールドへ。
さあ、ここからが本番だ。
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