7月から入居募集を始めた7号物件の入居が決まらない。
というより、内見連絡の反応すら、まったくなかった。
「ちょっと欲張ったかな……」
そう、強気の家賃設定で勝負していたのだ。
それに加えて、不動産業界の閑散期。
「まあ、そのうち連絡があるだろう」
と、完全にほったらかしにしすぎていた。
ここは、大いに反省すべき点だ。
そこで週末、思い立って動くことにした。
いちおう朝一でアポを取ってから、お世話になっている仲介さんを訪問した。
「入居条件について、少し見直したいんです」
そう相談を持ちかけた。
電話でもすむ話だし、時間にしてほんの5分ほどの内容だ。
それでも、わざわざ出向いて、直接会って話す。
これだけで、相手に与える印象はまったく違うのだろう。
話しながら、そんな手応えを感じた。
いちおう、本業の出張先で買っておいた、ちょっとしたお土産も持参した。
「いつもありがとうございます」
と、手渡して店を後にする。
すると、そのわずか1時間後のことだ。
スマホが鳴った。
「かめきちさん、これから7号物件の内見入ります!」
これほど露骨に成果が出るとは。
思わず、心の中で苦笑いしてしまった。
ずっと動きのなかった7号物件が、ようやく、本当にようやく動き出しそうだ。
じっと考えていても、状況は1ミリも変化しない。
「やっぱり、行動しかないのだ」
そんな、当たり前すぎることを、改めて身にしみて感じた週末だった。

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