物置ドア前の足場。
それは静かに、しかし確実に命を狙っていた。
地面には穴。
一歩踏み外せば、「DIY失敗談」では済まない。
下手をすれば「ブログ最終回のお知らせ」案件である。
ここは5号物件の物置。
……だったのだが、私はある決断をした。
この物置は、賃貸の対象にしない。
大家である私専用の物置兼・材料置場にする。
つまり――
入居者さん基準の完璧さは不要。
クレーム耐性も不要。
必要なのはただ一つ。
私が普段使いで、安全に使えること。
というわけで、修繕開始。
材料?もちろん廃材である
倉庫をあさると、
・カフェ板の余り
・根太の余り
・「いつか使うだろう」と信じ続けてきた木材たち
はい、総動員。
新品を買う?
いやいや、ここは
“大家専用・実験フィールド”。
失敗しても怒られるのは自分だけ。
最高の環境だ。
人生初のアンカーボルト
今回のチャレンジは、
コンクリートにアンカーボルトを打つこと。
ドリルを構えながら思う。
「これ、失敗したら穴だけ増えるやつでは?」
粉塵を浴びつつ、ビビりつつ、それでもなんとか固定完了。
見た目は…
まあ、プロが見たら首をかしげるだろう。
でもいい。
これは大家用だ。
完成。全体重チェック
完成した足場に、そっと足を乗せる。
……沈まない。
さらに体重をかける。
……軋みもしない。
よし、合格。
大の大人(体重は非公開)が材料を抱えて乗っても問題なし。
これで安心して、
木材も、工具も、そして私自身も置ける。
大家業は「割り切り」が大事
入居者向けにやるDIYと、自分用にやるDIYは、別物だ。
完璧を目指さない。
でも危険は残さない。
この物置は、私が使って大丈夫なレベルでOK。
これでしばらくは問題ないだろう。
少なくとも、
「物置に行った大家が帰ってこない」
という怪談は生まれない。
今日もまた、
廃材と判断力で、
物件と自分を守ったのであった。
――大家業、合理的で、地味で、最高だ。





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