今朝は5号物件に向かった。
出勤前の30分だけ作業する予定だった。
いわば、“朝活ならぬ朝DIY”。
ほどよい達成感と、ちょっとした自己肯定感をチャージできる、心にも体にもやさしいメニューだ。
……のはずだった。
現場に着いて、しばらく立ち尽くす。
「あれ、今日なにやるんだっけ?」
壁はもう貼った。
床もきれいにした。
扉も調整済み。
つまり、「やることが明確な時期」はすでに終わっている。
今残っているのは、地味で、地道で、そして終わりが見えない“片付け”だ。
現場をぐるりと見渡す。
工具、端材、ビス箱、軍手(なぜか片方だけ)、
さらに用途不明の“なにか”。
これらが現場に散乱している様子は、まさに戦いが終わったあとの戦場。
私のDIYは、確かに前進している。
しかし、「撤収作業」はまだだった。
30分でできることといえば掃除……だろう。
でも、「どこから手をつけるか」が決まらないと、人間は動かない生き物である。
そこで私は思った。
「そうだ、チャッピー(ChatGPT)に聞こう。」
現場の写真を何枚か撮り、チャッピーに送る。
そして問いかける。
「この現場、どう片付ければいい?」
チャッピーの返答は、無駄がなく、そして容赦がなかった。
完成図(この状態を目指す)
・工具は 工具バッグ1つ + インパクトケース1つに集約
・小物は A4トレーに“目的別”で積み重ねる
・ビスは 仕切りケースに一本化
・大きな材料は 壁際に縦置き1列
・不要な端材は 今、この瞬間に捨てる
最後の一文が胸に刺さった。
「いつか使うかも」は、99%使わない。
これ、大家DIY界の絶対法則である。
よし、断捨離だ。
片付けモードに入ろうとした、その瞬間。
スマホが震えた。
時間だ。ちょうど30分経った。
……明日から本気出す。
いや、これは逃げじゃない。
作戦の準備だ。
戦いは段取りから始まるのだ。
そう、明日から本気出すために、勤め人仕事の帰りに百均へ寄った。
A4トレー、仕切りケース、
“目的別に重ねられるやつ”を、考えるより先にカゴへ放り込んだ。
作業は進んでいないのに、買い物だけはプロフェッショナル級。
これは――
“瞑想”ならぬ、“迷走”である。
片付けとは、自分と向き合う行為だ。
道具の行き先を決めるのは、自分の「余白」を決めることに似ている。
なんて、まるで哲学だ。
でもいい。
迷っても、歩いていれば前には進む。
明日こそ断捨離だ。
いや、本当に。
5号物件は、まだ旅の途中。
現場は散らかっているが、心は少しだけ整った。
たぶん。

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